《MUMEI》
ハルト side
人間だった頃、僕の祖父はよく魔術の本というのを読ませてくれた。

この本は名前の通り魔術を専門に扱っている本だ。
僕は祖父にこの本を読んでもらう事が好きだった。

そのなかに、[虹石(レインボーストーン)]というのがあった。

虹石は魔術を閉じ込めてやっと虹色になる石だ。

僕が魔力を籠められたのもその石が虹石だったからだ。

それに、虹石は地球にたくさん落ちている。

しかし間違えて普通の石に魔力を籠めるとただの魔力の無駄遣いになる。

そこのところは注意をしなければならない。

そして、虹石はだんだん魔力を失っていく。

もしかしたらもう二度と人間には戻れないかもしれない。

でも、それでもいいんだ。
魔法使いさんは僕を<猫>として可愛がってくれるから。

僕は木に登って魔法使いさんを待った。

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