《MUMEI》
ルール
仲間。
奴の言った仲間とは、なんなんだろうか。

「案外簡単そうだね。楽勝じゃん。」

奴一人なら。
奴は背が低いから、足も短い。
これは、勝ったと思った。

でも、次の言葉は、僕を不安にさせた。

『そうそう。君は月の住民達を知ってるかい?あの子達は僕の言うことをなんでも聞いてくれる。と、言うことは、君は月の住民達全員を相手にしなきゃね?』

なに言ってんの??
だいたい、ここに何人住んでるんだよ。

「卑怯だ。」

『ぷぷ!何言ってんのー?君、現実に戻りたくないのー?』

「戻りたいけどっ…!」

『なら言うこと聞けよ、くず。ペナルティって言葉知らない?あはは!』

あぁ、怖い。

『あ、別に鬼ごっこしなくても良いよぉ!その代わり後二時間で君は死ぬけど。』

は…?

「死ぬ?死ぬって、は?え?なに?どういうこと?」

なんなの?
どうしたらいいの?

『はーい、ストッブ。うるさいよ?そろそろいい加減にして?』

そう言った奴の顔は、笑っていた。

でも、目だけは黒く、僕をとりこんでしまうみたいに呆れのうずがとどろいていた。

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