《MUMEI》
幸せ
ボーっとしてたらいつの間にか学校が終わってた。
俺達は家が近いので、登下校はいつも一緒。

『それにしてもさぁ、なんで俺はすぐ浮気されんだ?』

『知らないよ。まぁ、琉斗は浮気されやすい体質なんじゃん?』

『なにそれ!琉斗かわいそぉ!!』

いつもの茶番が始まった。

『あー、優しくて可愛い女は居ないかなぁ。』

「うわ、ハードル高っ!w」

琉斗のハードルの高さに思わずつっこんでしまったが、みんなもたしかに、と呟く。

『てかさぁ。』

笑奈がうつ向いた。

『梨人、いつくるんだろうね。』

晴は笑奈が言おうとしていた言葉が分かったのか、言葉を続けた。

『もしかしたら、卒業まで来ないのでは。』

琉斗が嫌なことを言った。

みんなの空気が暗くなったのを感知したのか、側でゴミを漁っていたカラスがバカー、バカーと鳴いた。

『なぁなぁ!梨人ん家、言ってみよーぜ!』

突拍子に言った琉斗の言葉に、みんなが頷く。

こうして、俺達四人は梨人の家に行くことが決まった。

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