《MUMEI》
久しぶり
『出ないねぇ。』

梨人の家に行ったは良いが、まさか出ないとは。

『三度目の正直!!』

[ピンポーン。ピンポーン]

少しの間があった。

『なに?誰ですか。』

梨人の声がした。

『開けて開けてぇ!』

『開けてください。』

『開けねーとブチ破るぞ!』

三人は一斉に喋る。

『あ、うん、はい。分かりました。』

梨人は戸惑ったのか、カタコトだ。
そうして出てきたのは少し背の伸びた梨人だった。

髪はボサボサで、目の下にはクマが出来ている。

『お、おぅ、梨人じゃねーか。』

琉斗は急に現れた梨人に多少ビックリしていた。
そりゃそうだ。
なんたって始業式以来なんだから。

『変わったねぇ、梨人!』

ニコッと笑った笑奈は男でもドキンとくる可愛さだ。
それなのに、梨人は。

『お前ら、誰?』

親友達に、そう呟いたのだ。

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