《MUMEI》

――どうして………

誰かに助けを呼ばなければ………そう思い今更持っていた携帯の存在に気がついた。

ここは地下だ。果たして電波など届くのだろうかと思いながら画面を開くと、その答がそこにあった。

「ある。ちゃんと電波は届いている。警察に電話しないと。いや救急車が先か………」

俺は119をダイヤルした。たったの3桁を押すのにも苦労した。指が思った通りに動いてくれないのだ。

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