《MUMEI》

「んんん…」

『あ、やべ。口枷外さないと。』

力亜は急いで倉憂の口枷を外した。

「ぷはぁっ…」

『んふふ。どう?喋れる?』

「くそっ!よくも!」

『なぁに?その口のきき方。』
『もうすぐそんな気分じゃぁなくなるけど。』

「俺に何をした!?」

『秘密。』

すると力亜は、にひひっ!と笑って俺の口に人差し指を添えてそっとなぞった。

『ぁー。この口もやがて俺のものになるのかぁ』

「やめろ!触れるな!」

倉憂が勢い良く腕を振ったために、鉄と鉄がぶつかりあう。

そして、倉憂はまたあの時のような感覚に陥った。

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