《MUMEI》

君と会ったのは、本当に小さい頃だった。
僕は最初、君の事を外国のお人形さんだと勘違いした。

それくらい、君は綺麗だった。

『あのね。真浬可(まりか)ね、迷子になっちゃったの。』

「え??」

僕が見ていたのに気付いたのか、君はそう声を掛けてきた。

『あ、ごめんなさい。』

君は少し頬を赤くして、ここから去ろうとした。

「待って。」

僕はとっさに君の腕を掴んだ。

「あっ、ご、ごめん」

当時多分7才だった君は顔をクシャクシャにして笑った。

その時、同じく7才だった僕は初めて人を好きになるということを知った。

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