《MUMEI》 『あ、あのね。真浬可、お友達と遊んでたら迷子になっちゃって…』 君は自分が迷子になったんだと話した。 今だったらきっとすぐに一緒に探しにいくが、当時7才の僕はそんなこと考えもしなかった。 「今一人なの?」 『え?』 『あ、うん。』 その時僕は内心よっしゃ!と思っていただろう。 「なら、一緒に遊ぼ!!!」 僕のそんな突拍子な発言に、普通なら断るが、君は違った。 『うん!』 そう言って僕の手を取る。 その瞬間、僕は手をふりほどいた。 『えっ…』 恥ずかしかったんだ。 とっても可愛い君の手を握るなんて。 でも、君はうつむいた。 「ご、ごめん。」 僕はやっと自分の過ちに気付いたが、もう手遅れだった。 『うわぁぁぁぁぁぁぁん』 君は、盛大に泣き叫んだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |