《MUMEI》

僕は近くに置いてあった果物ナイフを手に取った。
そして、その果物ナイフをポケットに入れる。

ちょうどその時、ドアが開く音がした。

『お邪魔します。』

その懐かしい声に、僕は思わずニヤける。

「入っていいよ。」

出来るだけ優しく言った。

そして、【君】は僕の前で立ち止まる。

『何?話って。』

「僕は君の事が好きなんだ。」

『ぇ………。本…当…?』

君は目をウルウルさせながら近づいてきた。

『私もっ…!!!!』

そして、僕に抱きつく。

その背中をさすりながら、僕はポケットから果物ナイフを取り出した。

「僕は君を愛しているよ。」

君の背中に、果物ナイフを突き刺した。

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