《MUMEI》 目を覚ますと、そこは森の中だった。 確かに死んだような気がした。 それでも、また生きている。 あの時の感覚がまだある。 頭を何かに殴られた感覚。 多分、覚えてないけど私を殴った人、シャベルで何かをほってたよな。 そばに、何か大きいのがあった。 でも私に気づいて別の場所に移動してた。 その人、顔立ちは悪くなかったんだよなぁ。 『あの…』 小さい、か細い声がした。 見ると、そこにいたのは私より年下そうな女の人だった。 『迷子になってしま……ぁっ、いや、そうだ、自己紹介しなきゃ。』 その女性はおどおどしていた。 『私の名前は、リンです。』 私は、気づいた。 今度は、あの人になったんだ……と。 前へ |次へ |
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