《MUMEI》

『ん〜。なんかないかなぁ』

僕、高橋 海(たかはし かい)はプリントを持ってきた好きな子にお茶をあげようと階段を降りた。

昨日、僕は好きな子に告白した。

でも、振られた。
だから僕は今日学校を休んだんだ。

そのおかげで今好きな子が部屋にいるんだよなぁ!
好きな子が家に来るってことはさ、襲ってもおっけーってことだよね!??

よし、覚悟を決めろ!

襲うぞ!!!
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『うふぅ。ごめん。コレしかないんだけど…』

そう言って、高橋君はドアを開けた。

「あぁ。うん。全然へいき。」

高橋君が持ってきたのはガラス製のコップ。
その中にオレンジジュースと思われる液体。
そばには美味しそうなチョコクッキー。

「うわぁ!美味しそう!!!」

思わず出た本音。
高橋君は、嬉しそうに笑った。

『てか、性格変わったよね』

突然の質問。
チョコクッキーを頬張りながら私は苦笑いをした。

「うん。まぁ、ね。」

視線を反らしてしまう。
高橋君、じっと見つめてくるんだもん。

『てかてかね!』

高橋君は場の空気を変えようと思ったのか、喋り出した。

『僕、葉菜ちゃんが来てくれたの嬉しいよ!!』

ぎゅっと手を握ってきた高橋君。
真っ赤になってしまった私。

なんだ、この画は。

私、一応昨日振ったのに。
もしかして、ちゃんと伝わってないとか?

「あ…のさ。」
「私、高橋君に恋愛的感情は抱いてないわけでして………。」

気まずくなった部屋。

『は?』

高橋君の何も分かっていない表情。

「いゃ、だから。私高橋君の事好きじゃないよ?」

『あぁ。うん。知ってる。』

高橋君は少しテンションが下がったように見える。

『だからなに?』

高橋君、私が言いたいこと分かってないようだ。
しかたない、ちゃんと言わないと。

「そうゆうさ、手を握ったりするの、止めてくれないかな。私、なんにも思ってないの知ってるでしょ…?それなのに、手を握ったりされると、なんか、可哀想になってきて……」

高橋君は、顔を赤くした。

『う………るせぇ…』

次の瞬間、私は高橋君に押し倒された。

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