《MUMEI》

その後、トイレに行った。
佑十はずっと無言だったが。

『てかさぁ。』

知らない人達の声が聞こえた。
どうやら、好きな人の話らしい。

『.B組の果奈って子、めっちゃ地味だよね。』

『,それな〜☆』

佑十の顔がひきつっている。
今すぐにとびかかろうとしていた。

しかし

『”そーか?俺は結構可愛いと思うけど。』

佑十が、声のした方を振り返った。

『えぇっ…………。』

そこにいたのは、学年で一番イケメンだとされている都内(みやうち)君だった。

『.おー。都内。なに〜?お前、果奈の事好きなン?』

『”なに?悪い?』

『,うぉ。果奈、すげぇな!!』

佑十は、顔面蒼白していた。
当たり前だ。

学年一のイケメンが自分の好きな人の事を好きだったのだから。

【絶対叶わない】

そう感じるのも無理はない。

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