《MUMEI》

『やっぱり、ぼく手紙やめる…。』

佑十はそう言って、下駄箱に向かった。
佑十は、焦っていた。

そのせいか、佑十はいつの間にか駆け足になっている。

「おい、ちょっとまて…!」

俺は佑十の手首を握った。
その瞬間、俺は佑十の手首を離した。

『なんだよ、真。』

「お、おい。佑十。お前、ホントに死んじゃうのか?」

佑十は、深呼吸を一回してから答えた。

『……うん。死んじゃうよ。』

佑十は悲しそうに、笑う。

佑十の手首は異様に細かった。
細くて、力をこめれば折れてしまいそうなほど。

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