《MUMEI》

!!

やっと見つけた。

ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと探してた。

水見 詩世(みすみ しよ)。

愛してる。
愛してる。

だから、もう…。












【中三の夏】


「覚えてる?」

「どうしたの?夏織。」

「私が、一目惚れしたこと。」

「あぁ。ちゃんと覚えてるよ。」

「嘘つけw。詩世は忘れっぽいくせにー」

「好きな人のことは忘れないんですー!」

夏織は、僕を見つめた。
受験生の僕らにとって、夏休みは勉強祭り。

僕の部屋で勉強会をしていた所、夏織がアイスが食べたいといってコンビニまで歩いていた途中。

ふと、夏織は切なそうに笑った。

その笑顔に、僕の心はどこまでも連れていかれそうになる。

僕は、夏織を愛してる。
きっと、この先愛することが出来るのはもう誰も居ないんだろうと思うくらい夏織中心の僕。

この笑顔を。
夏織の笑顔を守れるなら。

僕は、なんだってしてみせる。

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