《MUMEI》

「何してるんだ」


冷淡な声が、講義室に響く

あたしは震えてしまい、太一の腕にしがみついた

顔を見ることができずに、ただ震えるだけ


「っ!!」

そのとき、ものすごい力で腕を引っ張られた


「ちょ!笑也くん!!」

太一から引き剥がされ、そのまま笑也に連れられながら部屋を出た


「かな!!」

振り返ると、太一が叫んでいる

「いつでも連絡しろよ!!いいな!?」


「たっ…」

ウンウンと頷きながら、笑也の背中についていくしかなかった

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