《MUMEI》

目を覚ます

身体が、動かない

なんでだろうと思って、目をゆっくり開けると、

肌の色が見えた


「……、

え…」



初めて、だった


だって、彼はいつも、あたしが目を覚ますころにはとっくに起きていて…


あたしは、起きたらいつもベッドの上で一人で…



「な…んで……」


動けないのは、彼の細身だけどたくましい腕が、腰と腕にしっかり回されているから




こんなにも、彼の顔が近くに


彼の吐息が、彼の寝息が、すごく近くに感じる…


それだけで、ポロポロと涙が零れる






好き…



笑也…



好き、です……



けど…






さようなら

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫