《MUMEI》

部屋に戻り、荷物を整理する


この部屋から、この町から出るつもりで


隠し事はできないから、さっき太一にメールをした


返信は、来ない…

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
「!!」

ガチャガチャ!!
ドンドンドン!!!

「かな!!おら出てこい!!隠れても無駄だぞ!!!!」


ガチャ

「隠れないよ…」

ドアを開けると、汗だくの太一がいた。

「ってめー……」

「…フフっ、まぁ、入りなよ」






「くそ…何で出てく必要があんだよ…お前別に悪くないだろ!?」

「シーッ!太一声でかいよ!」

「うっ…、…なあ、本当に出てくんか?」

「うん…」

「本当に?本当ーの本当に?」

「うん。ごめんね」

「…」



一緒に、荷物を片付け始めた太一。


ただ、無言の時間が過ぎる





「わかった」

「え?」

「俺も行く」

「は?」

「俺もかなについてく!よし、決定!!」

「太一、何言ってんの…?」

「俺はかなのそばにずっといるって昔死んだばあちゃんに約束したんだ!
安心しろ、俺はずーっとかなのそばにいるから、な?」


「たいち…」


涙でグショグショ


「なきむしかなちゃん」


「うぅ〜…」


笑也がいなくても、もしかしたら、うまく生きていけるかもしれない


太一がいて、良かった






ピンポーン


「「…」」

「はーい…」

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