《MUMEI》

「あっちぃーよ、マジどいてくれ」

「やぁーだぁー」

「どこの宇宙人ですかお前は」

「わーれぇーわーれぇーはーうーちゅーじんーだぁぁぁ」

考えてみれば地球は宇宙にあるんだし、そういう意味であたしたちも宇宙人なんだから、あたしの答えは間違ってない。
それに気づいて後ろで寝そべるコイビトに教えてあげようと振り返ろうとすると、ぺた、と暑苦しい足裏を背中に貼り付けられた。

「あついー」

「俺も暑い」

「しらなーい」

めんどうなのでふたたび扇風機にむかって発声練習、コンタクトが乾いて眼球に張り付くけど一生懸命廻る4枚の羽根を見つめる。

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