《MUMEI》

「なつみ」

「うるさいなぁ」

背後で汗ばんだ肌がフローリングをする音がした。

「・・・・暑い」

背後から腕をまわされてすっぽり納められる。
背中と腕にべっとり張り付く36.5分の体温、もうすっかり慣れたおそろいの香水の匂い。

「あー・・やっぱ冷たいわ」

「あたしは暑い」

多分わかってるから無視された。
人にやったことは自分に返ってくるというのは本当だ。

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