《MUMEI》

ぺた、ぺた、と場所をずらしながら身体を触られるけど、全くやらしい気分にならない。暑すぎてそんなのめんどうだ。
夏真っ盛りのコンクリートジャングルの熱気は、4枚の羽根なんかじゃ少しも抑えられない。壊れているクーラーを睨むと、埃をかぶった長方形は黙っていた。

彼氏のごつごつした手はさらに肩、腕、おなか、胸をゆっくり撫で回す。
あぁヤりたいんだろうな。
だけど暑い。めんどくさい。

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