《MUMEI》









「ンッ…、…、ンッ…」







俺達はトイレの個室に入るなり、激しく唇を奪いだした。







何度も角度をかえ、舌を吸い合い、唇を哈み歯列をなぞり合う。






背中に回していた手を伊藤さんの髪に移動させ、指先を差し込ませると、
下唇をチュッと甘噛みされ、唇が首筋に降りてきた。





「ッ、ンンッ……、ハア」





俺はそれだけで感じ過ぎて崩れそうになると、力強く支えられきつくきつく…
抱きしめられた。






そして…耳元に囁かれる。






「ホテル…行こう」





「…はい」






終電を知らせるアナウンスが聴こえる。






吐息を揉み消す様、踏みっぱなしの水洗レバー……。







俺達は再びキスを再開した。







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