《MUMEI》
▽
「ンッ…、…、ンッ…」
俺達はトイレの個室に入るなり、激しく唇を奪いだした。
何度も角度をかえ、舌を吸い合い、唇を哈み歯列をなぞり合う。
背中に回していた手を伊藤さんの髪に移動させ、指先を差し込ませると、
下唇をチュッと甘噛みされ、唇が首筋に降りてきた。
「ッ、ンンッ……、ハア」
俺はそれだけで感じ過ぎて崩れそうになると、力強く支えられきつくきつく…
抱きしめられた。
そして…耳元に囁かれる。
「ホテル…行こう」
「…はい」
終電を知らせるアナウンスが聴こえる。
吐息を揉み消す様、踏みっぱなしの水洗レバー……。
俺達は再びキスを再開した。
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