《MUMEI》
どうしても
聖羅は佐山に菜々の事気付いてしまったのを言うべきなのかを悩んでいた。
菜々自身に言うのには早いし、それに不自然なので避けようと思っていた。
まぁ、いずれかは菜々にも伝える様になるのだか。
聖羅は佐山のマンションに帰り、しばらく佐山の帰りを待っていた。
聖羅がテレビを見ていると、
ピンポーン
と呼び出し音が部屋に響いた。
突然開ける訳にはいかないのでドアの覗き窓から相手を確認した。するとそこにいたのは……。
(か香さん?!)
そこに立っていたのは、佐山の小さい頃からの幼馴染みの香(カオリ)だったのだ。香は佐山と同じ大学をだまたま一緒に受け、一緒に地元を出ていった女性なのだ。
佐山とは、幼馴染みだが、聖羅とは聖羅が小学生の時に知りあったため、幼馴染みとは少し違うが、昔は3人でよく遊んだ記憶がある。
そして…香さんは佐山の初恋の相手なのだ。

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