《MUMEI》
本棚の中の恋
「なあ、またマンガ増えてねぇ?」

「そうかなぁ?」

ちょっと久しぶりの彼女の部屋には、前回来たときよりもかなりの量増えている気が…。

俺の彼女は、無類のマンガ好き。たまに妬いてしまうくらい…。

こんなにマンガが好きで、遊んでる暇なんかない彼女が、どうして俺に告白してきたのか、未だに考えるときがあるわけで。


「なあ、」
「ん〜?」

ベッドの上でさっき本屋で買ってきた新刊をかぶりついて読む彼女に質問。

「お前、何で俺に告白したの?」
「ん〜…よいしょ、
えっとね〜」

そう言いながら、一番お気に入りの本棚から一冊の本を取って俺に見せた。


「これ見て、勇気が湧いてきて」
「はぁ?」

それは、一番好きなマンガらしく、

ずっと前から俺のことが好きだったけど、云う勇気がなくて泣いてたときに、このマンガみたいにすれば…!!と思ったらしい。


「これがなかったら、言ってなかったね!うんうん…」

一人納得してそう言いながら、またベッドに戻ってさっきのマンガを読み始めた彼女。

「……」


俺はこのマンガに深く深く感謝して、例えマンガの次に好きだと言われても我慢しようと心に誓った。

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