《MUMEI》 幼すぎて…、夏「あーそーぼっ!」 その声にすぐ気付いて、ベランダに出ると、下で手を降っていた。 天気が良いから走っていった。 僕らの秘密基地。 危ないというお母さんの言葉なんか聞いちゃいない。 だって、ここは僕らの秘密基地なんだから。 暑い太陽の下で、僕らは汗を流しながらはしゃぎまわる。 二人で、近くの川で魚取り。 二人で、森の中でかくれんぼ。 二人で、秘密基地で秘密の話。 たとえ、この秘密基地がなくなるときが来ても、絶対に僕らは泣かない。 僕らの友情までが、消えてしまうわけではないのだから。 「また明日!」 「うん、また明日!」 泥だらけの服で、今日もお母さんに怒られる。 だけど、それでも僕らがあそこへ行く。 ずっと、いつまでも。 僕らの、秘密基地へ。 前へ |次へ |
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