《MUMEI》
38℃
「……」

「…、ごめんなさい…ゴホッ、ゴホッ、うぅ〜…」


2時間も遅刻しやがって!何度連絡して無視しやがって!!ふざけんのもいいかげんに…


そう言いながら部屋のドアを開けたら、ベッドの上で死んでいた。

昨夜の雨にもろ打たれていたらしい。

アホ。


「何してたわけ?あんな雨の中…」

おでこにひえぴたを張りながら尋ねた。

「……」

一向に、答えようとしない。

「言いなさいよ」

「………た」

「は?」

「…探してた」

「何を」

「…、レストラン…」



今日は付き合って2年記念日。

忙しい中、会えるだけでも良かったのに…


チュッ
「!!」

「ありがとう」

お礼にキスをしたら、「バカ野郎!!」と怒鳴られた。

びっくりしてキョトンとしてたら、また怒鳴られた。

「うつったらどうすんだよ!!もういいからお前帰れ!!治ったらすぐ埋め合わせするから!」




いやだよーって言って、一晩中看病してあげた。

翌日、私が引いたのは言うまでもない…

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