《MUMEI》

「今日一緒に帰らないか」

意外な一言に一瞬耳を疑ったが、俺はいいよとだけ言っておいた。

もう何が何やら解らない。俺は模範的な若者らしく、時の流れに身を任せてみようなんて考えていた。

その日の帰り道に安原と話した内容は『ありえない世界』をさらにありえなくした。

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