《MUMEI》

あの時と同じように、俺の頭の中ではあの言葉が繰り返されていた。

『運命とは不思議なものだ。人の抗えないところにそれは存在すると、ある詩人が言っていたように、俺も抗えない運命に直面しているようだ』と。

資料室に入った俺はというと、あの二人組を探していた。しかし、しかし、………いないのである。どこを探してもいないのだ。あの時と同じ時間、同じ場所、それでもいないのだ。俺は今回の事件のキーパーソンに会えなかった事を嘆いた。彼等が誰か解れば重要な手掛かりになると思っていただけにこの結果にひどく落胆した。

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