《MUMEI》
岡ヤンは人格者
(オレみたいな初心者が、いきなりレースなんか出来る訳ない…。)

オレは一人打ちひしがれていた。


岡ヤン『しょーがねーよ…ギア付きバイク慣れてないもんなぁ(笑)』

そんな優しい言葉と一緒に、キンキンに冷えたポカリをオレの頬にくっつけてくれた。


オレ『冷た!…ありがと…』

プルトップを引き離し、一気にそれを飲み干した。


岡ヤン『でも途中からだいぶ良くなってたぞ!

健二(オレ)は飲み込み早いみてーだし、走ってるうちに速くなるって…(笑)』

優しい励ましは素直に嬉しかった。


岡ヤン『予選迄ちょっと休んどけよ…』

岡ヤンはオレの頭をポンと叩き、飲み物を買い出しに行った。


オレはピットの日影にレジャーシートを敷き、パンツ一丁で横になった。


すると早起きした眠気に襲われ、すぐに意識を失った…。

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