《MUMEI》

兄貴『おーぃ…そろそろ起きれ〜』


兄貴の声に目を覚ますと、既に岡ヤンが予選を走り終えた後だった。


1時間は眠っただろうか…?


オレはムクリと起き上がり、干して置いたTシャツを着ると、自分の汗のニオイが鼻をつき思わず顔をしかめた…。


岡ヤン『スゲーよく寝てたなぁ(笑)

一応マズマズのタイム出しといたから、あとは気楽に走ってこいよ…』


岡ヤンはタオルで汗を拭いながら笑っていた。


しかし優しい言葉は嬉しいのだが、なんだか自分が頼りにされていないようで気恥ずかしかった。


実際、頼りにならないのだが…。

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