貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》モノローグ。
徐々にわたしの部屋は、アキから貰ったもので埋め尽くされていった。
アキは「友達なんだから黙って受け取ってよ」と云うのだけど、わたしはどうしてもそういうモードになれないで居た。
ちなみにアキにはあまり物欲が無いらしく、一緒にテレビや雑誌を見ていても、「もの」に興味を持つことはほとんど無い。
一度だけ、最近の100円ショップの品揃えの豊富さにビックリして居たから、わたしから誘って行ってはみたけど、楽しそうに見て回っただけで特に何も買わずに帰って来ただけだった。
何かしらお礼はしたい。
だけど、物欲も無く「あんたはあたしのそばに居るだけでいい」と云い張るアキに何も出来ない自分が、もどかしくて仕方がない。
形に残るもの、もしくは一生忘れることの無い経験をさせてあげたいのだけど、世間知らずのわたしには、到底思い浮かぶはずもなかった。
アキが二十歳の誕生日を迎える12月までには、なんとかしなきゃ…と、考えていたわたしは、自分の誕生日の存在なんてすっかり忘れてた。
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