《MUMEI》
ブルーな兄貴
第1ライダーの予選が終わり、第2ライダー予選までの10分ほどのインターバルの時だった。


兄貴はピット前に停められた NSR の右側面を眺めながら、何故か溜め息をついていた。


何事かとオレが覗き込む…。


すると車体の右に張り出したチャンバーの一部に、豪快な擦り傷がついているのが目についた。


オレ『どしたんコレ!? 岡ヤンがコケたん?』


兄貴『いや…そーやないけど…』


兄貴は悲しげに押し黙った…。

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