《MUMEI》

(なんや…もっと倒してもイケるんやな…)

オレは先程のフリー走行での消極的な走りを後悔した。


(コケてもえぇから次は思いきって攻めてみよぅ…)

岡ヤンがつけたチャンバーの傷が、何かのヒントのようにオレの中に光をもたらしてくれた。


もう間もなく第2ライダーの予選が始まる…


オレはピットの軒先に吊してある革ツナギを下ろした。


そして少しずつ気合いを高めていった…。

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