貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
彼女の行く先。
わたしはアキの足が向くままに、続いて行った。

二人の間に、会話らしい会話は無い。

アキが「良かったぁ、晴れて」と、独り言をポツリと吐いたくらいだった。



しばらく歩いて居ると、
くしゅん
と、くしゃみが出た。

アキがわたしを向いてちょっと申し訳なさそうな顔をしたけど、わたしは黙って首を横に振った。

ただの散歩では無いみたいなのは、アキの足取りから見て取れたし、少しくらい寒いのは我慢出来ると思ったから。



アキが繋いだ手を握り直した。

もうすぐ着く、と感じた。

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