《MUMEI》 緊張…レベル3ホーム・ストレートにいる係員が手を挙げると、YSR は意を決したように飛び出していった。 水色のマシンは最終コーナーを無難にクリアし、マシンをトップ・スピードに乗せてゆく。 オレはその姿を目で追いながら、必死に自分を落ち着かせようとした。 不思議なもので、緊張が高まってくると自分以外の全てのライダーが、とてつもなく速い存在に見えてしまう。 その中にいる自分の存在が、やけにちっぽけに思えてしまうのだ。 オレの心は負のスパイラルに陥りそうになっていた。 前へ |次へ |
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