《MUMEI》
緊張…レベル4
第2ライダーの予選は、淡々と進んでいった。


いま走っているのは、ゼッケン6の YAMAHA RZ だ…。


よって次の次がオレの番ということになる。


オレは静かに目を閉じて、外部からの情報をシャットアウトしていた。


その時…


『ああーぁ!!』

急に周りが騒がしくなった。

その中には心無い笑い声も混ざっている。


何事かと目を開けて見ると、S字クランクで RZ がコケていた。


(オレの走りも笑われるんだろうか…?)

オレの心中で弱気の虫が顔を覗かせた。

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