《MUMEI》

安原が地下に下りるのはまずい、引き返そうと言って来たが俺はその提案を断った。怖いなら引き返せよ、と言うと、安原は仕方なさそうに俺の後にしっかりついて来た。

驚く事に例の電車ロックのところに来ると真奈はボタンを押して鍵を開いたのである。何故知っているんだろうと一瞬思ったが、このありえない世界ならそんなことでいちいち驚いてはいられない。たまたま知っていたと思うことにしよう。

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