《MUMEI》 そして真奈は『ありえない』ものをポケットから取り出した。いくら暗いからと言って他の物と間違えるはずもない。明らかにそれは『銃』だった。ここでそれが本物か偽物かを確かめようとする馬鹿はいない。 「おいなんだよそれ」 「説明なんていらないでしょ。私の正体を気付いてる石島君にはね。いつから私があずみだって気付いたの」 −−あずみ………確かに真奈との会話にあずみという単語を出したが、真奈=あずみと言った覚えはない。俺が言ったのは『…………次に死ぬのは真奈……いや、あずみだ』と言ったんだ…………駄目だ、俺の言葉も言い訳しようがないぐらいおかしいじゃないか。 前へ |次へ |
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