《MUMEI》
嘘みたいな…
―気持ち悪い。

ついにあたしはこんな夢まで見るようになってしまったか…

妄想壁にもほどがある。

神様…
いくらあたしなんかの願いでも、

『夢の中で』なんて、あんまりじゃないですか!!!


ああ…

でも、夢なら醒め「相原!!!!!」


「…るっさいなあ!!
起こさないでよ!!!」

そう言いながら梶野(幻覚)を振り返ると、
両頬を思いっきりつねられた。


「いらららら(いたたたた)!!いらいいらい(痛い痛い)!!!」


あたしが暴れてようやく手を放してくれた梶野(幻覚)は、
ムスッとした顔で


「夢じゃねーっての」


と、言った。


「相原さんって、面白いね」


ゆっくり振り返ると、
くすくすと笑いながら言う東郷君(本物!?)。


「ゆ、夢じゃない…??」


じんじんと痛むほっぺたを抑えながら呟くと、


「かわいい」


微笑みながら言う東郷君(本物!!)。


―ああ、あたし死んじゃうかも。


いえいえ、東郷君、
かわいいのはあなたです!!!

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