《MUMEI》
想い
お互いの大量の汗で皮膚がピリピリと刺激されて…痒い。
背中に触れる指先も水分を吸い込み皺がよっている。
キスが止まらなくて唇を何度も合わせた。
奪いあう様に何度も抱きあった…。
体液でべたついたりかさついたりしている下半身、
快楽で麻痺する躰……脳。
――声を我慢する事なんか…できなかった…。
羞じらう事もできなかった。
欲しくて欲しくて堪らない。
抑えが利かない。
好きで好きで…堪らない…。
全身で触れたくて彼の胸に頬を擦りつける。
「裕斗は甘えん坊なんだな」
伊藤さんは俺の髪を撫でながら俺の背中を抱いてくれている。
脛毛で擽ったかった脚が絡んできた。
何だか重さまでが今は心地よくて、更に触れて貰えた幸福感で…
俺は伊藤さんの背中に回す手に力を入れ、きつくしがみついた。
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