《MUMEI》
岡ヤンの声援
…その時…。


『タイムはもう出てるからなー!攻める必要はねーぞ!楽にいけー!!』

ピットレーンの方から声援が飛んだ。

岡ヤンの声だ…。


それはコース中に響き渡るほどデカい声だった。


オレは突然の掛け声に一瞬呆気にとられたが、やがてその声援に隠された岡ヤンの真意を汲みとった。

…と言うよりも岡ヤンがオレの心境を読んで、緊張を和らげてくれたと表現するのが正しいだろう。

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