《MUMEI》

「伊藤さん…」

「ん?」

俺は心から想いを搾り出す様に…、言葉を吐く。

「有難う…、嬉しい…」

俺は這上がり伊藤さんに上からキスをしようとする。





しかし重なる寸前にいきなり指先で制止された。




「秀幸…だろ、伊藤さんじゃ…ダメ…」




「…ヤだよ、恥ずかしい…」




「何言ったんだ、エロってる時は何回も言ってたくせによ…、
つうか騎乗位で乱れる方が何倍も恥ずかしくねーか?
あーんなに腰くねらせて、あんあんよがって…それにあのとき…」


伊藤さんは意地悪そうな色を浮かべながら面白そうに言っている。
俺はそれ以上恥ずかしくて聞いていられなくて…彼にギュッとしがみついて制止した。



「やだ、もうそれ以上言わないでよー…、意地悪、やだ、…、秀幸の…意地悪…」




恥ずかしいよ…、




でも…、…。

するとふうわりと体制を変えられ、伊藤さんは俺の顔の両側に肘をつき、逆に上から見下ろしてきた。










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