《MUMEI》

「行羽どうした?不安か?」


「そんなことねぇよ!」


「そっか。まずは住むところを探そうか。」


兄貴は笑って、俺の手を握り、歩き出した。


「なっ!兄貴離せよ!ハズいだろ。」


「迷子になると大変だよ。」


「子供扱いするなよ!」


「子供扱いはしてないよ。弟扱いをしてるんだよ。」


「同じようなもんだ!」



兄貴はいつも優しかった。


いつも、俺のことを気にかけてくれた。

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