《MUMEI》
IN side T
保健室で日誌を書いていると突然ドアが開いた。ノックもせずにやってくる生徒は一人しかいないので、ドアに背を向けたまま無視して日誌を書き続ける。
日付、曜日、天気、利用者数などを機械的に書いていく。ボールペンが滑らかにノートの上を這う。
しかし、訪問者は何も言わない。あれ?いつもならすぐに軽口を叩き、調子のいい言葉を並べて、愉快に喋るのに。
しばらく待っても何も言わないので、不審に思い仕方なく振り向く。

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