《MUMEI》

やっぱりいつもの学生服姿がそこにあった。茶色に染めぬかれた髪、これでもかといわんばかりに並んだ両耳のピアス、ちょっと焼けた顔に綺麗に配置されたパーツ。
いつもと違うのは、悲しいのか苦しいのかわかりづらい明らかな負の感情を表に出したその表情だけだった。

「・・・・どした?調子悪いの?」

ほんの少しだけ幼さの残る顔を横に振った。しかし顔はさらに何かをこらえているかのようにゆがんでいた。

「・・・・ホント、どした?」

「・・・・先生」

「ん?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫