《MUMEI》
親友
その夜、大樹は友人に電話して詳しい内容は言わずに離婚の事だけを告げ、飲みに呼び出した。その友人とは大学時代からの親友で潤だった。潤は今でも遠からず近からずの距離に住み妻と二人の子供のパパである。大樹は、そんな潤も好きだった。潤には本当の事を言おうと思い呼び出したのだ。待ち合わせの時間に互いに遅れる事もなく久しぶりの再開が嬉しくてたまらなかった。潤とは静かなバーで飲みたかった。そんな大樹を察して潤も、あえて静かなバーへと付き合ってくれていた。二人でバーボンを注文し大樹が煙草をふかし始めた。潤にも勧めたが、潤は少し前にやめていた。二人は黙って乾杯をし、潤が大樹に話しかけた。「言いたくないなら言わなくていいぞ。でも、あんなに仲が良かったじゃないか?」大樹は、こんなバカみたいな話は潤にしか出来ないと思って来たのだし潤は律子の事も知っている。大樹は潤に向かって、こう言った。「笑うなよ!俺は本気なんだから。酔っ払いと勘違いするなよ!全部話すよ」と言い、手にしたバーボンを飲み干した。「・・・・」大樹が事の全てを話した後の沈黙だった。大樹は、やはり無理があったかと思ったその時、潤の口から出た言葉だった「愛してる…」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫