《MUMEI》
忘れられない
動揺した大樹は自宅前でタクシーを降りた。すると部屋に明かりが灯っている。深夜なのに妻が帰って来てくれている事を信じて自分の持っている鍵でドアを開ける。するとそこはあたり一面赤い薔薇の花だった。そして中央には嬉しそうに笑う律子が居た。「おかえりなさい」大樹は倒れそうになった。律子は、こう言った。「いつもアナタの側に居たのに今まで気付いてくれなかったのね。寂しいわ。だから私、考えていろんな人に乗り移ったわ。だけど肝心な奥さんにだけは乗り移れなかったのよ。だって奥さんたら霊感強いんですもの。だから最初は少し脅かしたけど離婚してくれれば、もう奥さんの前には現れないし幸せにしてあげるって言ったの。そうしたら奥さん「約束してあげる」って言っくれて実行してくれたわ。いい奥さんね。でもね、大樹には私しか居ないし私も大樹のことが忘れられないの。わかる?私は大樹が、どんなに逃げても必ず現れるからよ。いろんな職業やいろんな人達の体をかりてもね」「そうするしかないの。だって私は自殺した浮遊霊なんですもの。アナタのせいなのよ。私のこと怖い?」大樹は発狂しそうだったが、このまま律子と生活するか自分が死ぬしかないと思い人間に乗り移った律子を残し、酔ったカラダで車にキーを差し込んだ…猛スピードで発進し千葉に向かった…とある埠頭に来ていた…ふと顔を上げるとバックミラーに「律子」が映っていた… 「ウワァーーーーーーーーーーッ」大樹は、思い切りアクセルを踏んで、海へと沈んで逝った… 死ぬ間際、大樹が思ったのは… 「律子…これで満足か…?」 翌日の新聞には大樹の飲酒運転による事故として載った… いま一番喜んでいるのは、きっと「律子」だろう
ーーーーーーーーーーーーEND

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