《MUMEI》

何も知らなかった私。

狭い世界で生きていたから。

優しくされることも、心から楽しむことも、仲間との信頼も―――…

そして愛することさえも。。


全てはあの時から。
あの人の手をとってから…
彼が私を変えてくれた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はじめ彼女を、自分とさして時が変わらないと思った。女ながらに常勝将軍と言われる肩書と、兵士からの暴力に声一つ上げず耐える心の強さに。


だけど、違った。


帝国での過酷な経験が、ただその生き方しか許さなかったのだ。

旅をするうちに、歳相応の少女らしさと不器用さが見えてきた。

彼女の淡い金髪や、ラピスラズリの瞳…

ただ守りたかった。

手を差し出したその時、その瑠璃の瞳は何の光をなかった。

でも後悔をしたくなかった。光を取り戻したかったんだ。

あの時…レイチェルの瞳から光を取り戻せなかった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

知っている、ロックは私を見てるわけじゃない。


私は罪深いから、そんなこと望めないのが当たり前なの。



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