《MUMEI》

じゃれて、抱き合って、甘えて、キスをして…。

いつの間にか意識が消えるまでそれを何度も繰り返した。






――俺、なんだか…






恋と一緒に、嫉妬や我が侭まで覚えてしまったみたいだ。











――朝、先に眼が覚めて、彼の寝顔を初めて視る事が出来た。




ずっと俺より大人なのに、睫毛が意外と長くて何だか可愛いく感じたり、
意外とたくましい胸板が何か妙に格好良かったりして…。





俺は起こさない様にそっとベッドから抜け出し、シャワーを浴び始めた。









熱めのシャワーが気持ち良くて、
セックスの気だるさも心地よくて…のんびりと浴びる。





躰をスポンジで洗い出すと、散々愛撫された敏感な皮膚が粟立つ様に震えた。




洗う事を中断して、思わず自分自身を抱きしめてしまう。







一晩で好きな男の…
秀幸の色の躰になってしまった…。






もう他の男に抱かれるなんて…ゼってー無理。





震えと溜め息で何度か中断しながらも、なんとか洗いきり、バスタオルで躰を拭く。





シャワーの熱気で曇った鏡を、使い終わったバスタオルでギコギコと拭いてみる。

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