《MUMEI》
佐山さん
一方、菜々はと言うと相変わらず忙しいカフェで働いていた。
休憩に入れたのは三時過ぎだった。
やっとの思いで休憩に入る。お昼を食べに行こうとすると、カフェの出口に佐山がひとりでいた。
「…お疲れで〜す…。」
と菜々が言うと、
「お疲れ。……ちょっといいかな?」
「え?な何ですか…?」
「…たまには一緒に昼いかない?」と佐山。
「………。」
なんでだぁー?なんで佐山サンが私を誘うのか…?
菜々は再び頭がパニックになり、混乱した。
菜々が黙っていると佐山が口を開いた。
「嫌…かな?」
「…嫌じゃ…なぃです…。」「じゃあ行こうか。」
佐山はひとりでスタスタと歩いていった。
「あッ…!ちょ…ちょっと…佐山さぁん!」
菜々は思わず叫んだ。

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