《MUMEI》
伊藤視点
「怒んなよ」

「別に…怒ってないし…」
裕斗の方が先に身支度を整え、ベッドに座りながらミネラルウォーターを飲んでいる。

洗面台に掴まらせながら立ちバックで攻めたまでは良かった。
裕斗も盛り上がって感じまくってたし…。




しかも鏡の前だったから本人もエッチな顔まで見せられて、ある意味夜より盛り上がってたかもしんねえ…。

ただあんまり可愛いくって、イった時に…
つい、うなじにキスマークを付けてしまった。
なんだ、こんなに肌が白いと勝手に吸い寄せられるっつうか…。






俺はコートを着込み携帯を見る。





誰からもメールも着信もない。





「もう出っか…、朝飯食って直で局入るべ…」



「あ、俺は一回家帰りたいから食べらんない…、携帯充電切れちゃってマネに連絡つかないし…、充電器取って来なきゃ」

裕斗もベッドから降りてバッグを掴んだ。

「…は?充電?…コンビニで買えば?」

「あ…、そうか…、そうだった…、買った事ないから抜けてた…」





はー、若いのに…




「ま、俺もねーけどさ、充電器は予備買っといて持ち歩けよ、車でだって充電出来るし、てかもう腹減った!行くぞ!…あ……そういや!」

俺は携帯を開いてキーを何回か押して…そして裕斗に差し出した。






「昨日ゆうちゃんのマネから電話あったやつ、何となく登録してたんだよ…ほれ、かけろ」

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